国立大学法人北海道大学北海道大学病院様

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地域医療を支える高度な医療ネットワークのインフラに

Challenge

遠隔地同士を接続することで、てんかんに関するカンファレンスを円滑に行うためのインフラを構築したい。地方との医療格差を減らすためのコミュニケーションインフラも併せて希求。

Solution

各医療機関にPolycom HDX 7000 や8000 シリーズのビデオ会議システムなどを導入、インターネット網によって遠隔地同士を接続する医療ネットワークを構築。

Result

鮮明な映像と音声によって臨場感溢れるカンファレンスが開催でき、ハイレベルな議論が可能に。自由に参加、退出できる環境を構築しただけでなく、地域医療を支える高度な医療ネットワークに成長。

用途

  • てんかんに関する多地点カンファレンス
  • 小児心臓のエコーに関する講習会 など

【導入の背景】遠隔地を結んだカンファレンスへの参加が大きなきっかけに

 国立大学北海道大学医学部及び歯学部付属の教育・研究施設として、地域医療の最前線に立つ北海道大学病院。高度な統合的医療に基づく全人的医療を提供し、さらに全人教育を実践する道内唯一の医療施設として道内における中核病院に位置づけられている。

 そんな同院は、てんかん治療における道内の中心的施設となっており、てんかんに悩む多くの患者が同院の門を叩いている。てんかんは、脳内を流れる電気信号が突発的に過剰に放出されることが原因となっており、脳の一部を切除する機能的脳神経外科による治療が行われることも。そこで必要となるのが、具体的な症例を共有しながら神経内科や脳外科、小児科など様々な専門家が集まって議論を行うカンファレンスだ。「最初は札幌市内の専門家数人でカンファレンスを実施したり、てんかん学会などに足を運んだ際に症例を紹介することで専門家の様々な意見をヒアリングしたりすることもありました」。

 そんな中、日本全国に点在する研究者を交えたカンファレンスを、てんかん学分野の第一人者でもある国立大学法人 東北大学の中里 信和教授が定期的に開催することに。そこで、遠隔地からその会議に参加することになったと小児神経学やてんかん学を専門に研究している同院の小児科助教 白石 秀明氏は経緯を振り返る。

 

【導入決定のポイント】患者がいるからこそ、自由に参加、退出できるインフラが必要

 遠隔地からカンファレンスに参加するための手段として最初に試したのはSkypeでの接続だった。しかし、Skypeによる接続は多くの課題があったと白石氏。「専門家共通の言語があれば、多少画質が粗くてもある程度状況は伝わります。ただ、てんかんに興味を持ってもらいたい一般の方や若い研修医などには伝わりにくい面も。また、接続していると徐々に画質が落ちていくなど、技術的な面でも何らかの改善が求められたのです」。しかも、画質改善のために接続し直そうとすると、再度カンファレンスに参加できなくなってしまう状況も大きな課題だったと白石氏。「目の前に患者がいることもあり、医師は長い時間机に座って会議に参加することがそもそも難しい。だからこそ、いつでも途中参加、途中退席できるインフラが必要でした」。

 そこで新たなインフラとして白羽の矢が立ったのが、ポリコムが提供するビデオ会議システムだった。「東日本大震災の折に東北大学と気仙沼市立病院を結んだ「遠隔てんかん外来」を中里教授が行うにあたって、米国の大学から無料貸与されたのが高解像度の映像で接続できるポリコムのビデオ会議システムでした」。その際に感じた高品質な映像や音声、そして堅牢性をはじめ、任意の参加・退出が可能な面を高く評価した白石氏は、ポリコムのビデオ会議端末導入を決意する。

 

【実際の運用状況】 地域医療を支える重要なインフラとして高く評価 

 同院主催のカンファレンスでは、北海道大学病院に導入された内蔵多地点機能のあるPolycom HDX 7000 ビデオ会議システムを中心に、東北大学のHDX 8000、獨協医科大学越谷病院のHDX 7000、静岡てんかん・神経医療センターのHDX 4500の4拠点をインターネットによって接続し、症例を共有しながらハイレベルな議論を行っている。また、東北大学主催のカンファレンスにも参加しているため、毎月1回のペースでビデオ会議システムが活用されている状況だ。

 実際の評価については「高度な議論をするうえで音の即時性はとても重要。ポリコムであれば十分その要件を満たしてくれます。操作性についても、自分で接続できるほどシンプルです」と白石氏。トラブルも発生しておらず、その堅牢性についても評価しているポイントだ。

 ビデオ会議システムの意義について白石氏は「患者の状態が鮮明な映像で共有できることはもちろん、遠隔地であっても医師同士が顔を見て話ができるのは医療格差をなくすという面でも大きい」と力説する。特に北海道では医師不足による医療の偏在化が大きな課題となっており、地域医療を補完、維持しなければならないという大きな使命がある。遠隔地同士であっても臨場感溢れる映像と音声で繋ぐことで一体感を醸成し、モチベーションを維持することがなによりも重要だと白石氏は考えている。「最先端の情報にアクセスしやすい環境がないと医師も視野が広がりませんし、患者の不利益にも繋がります」だからこそ、地域医療を支える重要なインフラになったポリコムのビデオ会議システムを高く評価しているのだ。

なお、九州大学に設置されている多地点接続サーバーと接続し、小児心臓のエコー講習会を同院で開催するなど、様々な目的でも利用されている。鮮明な画像とクリアな音声で講習会が開催でき、参加者からも好評だったという。

 

【今後の展望】他の医療分野への展開も視野に医療ネットワークの拡大を目指す

 将来的な用途としては、白血病を診断する血液グループや、エコーや音から心臓の状態を判断する循環器系のグループにもビデオ会議システムが利用できる環境を整えたいと白石氏は語る。また、地域医療の補完のために大学の教員の身分のまま地方の病院に赴任する制度があるが、その際にはビデオ会議システムをセットで持たせてあげたいと白石氏。さらに、現在遠隔医療ネットワークが進んでいる旭川医科大学などとの連携が更に進めば、道内の医療ネットワークがさらに有機的に動くようになると期待しているという。

 他にも「特定の部屋にビデオ会議システムを設置しておき、様々な場所で開催されている講演会場と接続することで、誰でも自由に任意参加・退出できるような環境を整えるのが理想です」と将来的な展望を語っていただいた。

 

国立大学法人北海道大学

北海道大学病院

設立:2003年10月(北海道大学病院設立)

所在地:〒060-8648 北海道札幌市北区北14条西5丁目

代表:北海道大学病院長 寳金 清博

活動内容:高度な統合的医療に基づく全人的医療を提供し、全人教育を実践する道内唯一の医療施設として道内における中核病院として位置づけられている。てんかん治療における道内のセンター的施設ともなっている。

http://www.huhp.hokudai.ac.jp/

(導入時期:2013年3月/取材時期:2013年11月)